親の役割ってなんだろう? 

 

わたしは、難聴児の療育をしていますが、1歳の娘(1歳児)と4歳の息子(4歳児…年中)の母親でもあります。

 

4月から幼稚園生活が始まった親御さんの多くがかかえる悩みが「お友達との関わり」ですが、わたしも例外ではありませんでした。そこで、今回は、わたしの「子育て奮闘記」の一部をご紹介します。

 

現在、4歳5か月になる息子は1歳児から保育園生活を始めましたが、2歳児になって、他の子どもたちがお友達同士で少しずつ関わりを見せるようになっても、お迎えに行くと、大体一人でポツンと絵本を読んでいるか、パズルをしているか…。「性格もあるのだろうな」と思いながらも親としては何とも歯がゆい思いをしたものです。わたしは、親として模索しながら以下のようなことを試みました。

 

【お友達と一緒に帰る機会を作る】

当時、わたしは、研究生活をしていたため、お迎え時間が早かったので、他のフルタイムで働く親御さんと出会う機会があまりありませんでした。ただ、ちょうど同じ時間にお母さんが育休中で早帰りのお友達がいたので、極力その子の迎え時間に合わせる努力をしました。

するとお互いに「一緒に帰ろう!」が始まりました。何をするわけでもなく、親同士はおしゃべりをしながら歩き、子供たちは追いかけっこをしながら、一緒に帰れるところまで行き、バイバーイ、また明日ね」とお別れする、という繰り返しなのですが、こんなことが、きっかけになってお友達とのかかわりが増えていきました。

 

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さて、年少さんにもなると、さらにお友達との関わりが広がります。この頃には、息子なりにお友達と関われるようになりました。それでも、まだまだ何だか空回りしている、わが子…。そんな時に、息子が周囲に認められるものができました。息子は歩き始めも1歳6か月でしたし、バランスもけして良くはなく、どちらかというと運動音痴です。本当に不器用で製作・お絵かきはため息がでるほど苦手で、なかなか園活動の中で「○君ってすごいね」と認められるものがありませんでした。静かでおとなしい子のイメージが強かったようです。

 

【得意なことを作る】

息子がおそらく他のお子さんよりも知識があったのが、「英語」。これを聞くと『どれだけ教育ママなんだ?』と思われてしまうかもしれませんが、もともと英語の歌が大好きでどっぷりはまっていき、歌の中で自然に獲得していきました。

息子の通っている園ではなんと、「英語」の時間があり、そこで息子は自信をもって発言することができ、皆の注目を浴び、自信をつけ、積極的な関わりをするようになっていきました。

得意なものは何でもいいのです。自分1人で折れる折り紙がある」「ブロックが得意」「絵が上手」「ごっこ遊びが得意」すべての得意なことはお友達に認められ、関わりを広げるものです。私自身は、まさか「英語」がそのきっかけになるとも思っていなかったので、家庭ではよくブロック遊びを一緒にしていました。その甲斐もあってか、お友達とブロック遊びで「戦いごっこをしていた」と報告をよく受けるようになったので、正直、グッズのおねだりに抵抗があり躊躇していたのですが、あえて「戦隊シリーズ」を見せたりしました「同じ話題を共有する」これも子どもの世界では大切なことです。

 

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さて、年少さんの終わりから年中さんの頭にかけて、息子は大好きなお友達ができました。

 

【親も積極的に!】

保護者会などで、その子のお母さまとお話しをし、家に遊びにいく約束をしました。

そのお友達は、人気者で園では息子には、どうも手の届かない憧れの存在のようでしたが、プライベートで遊んだことでグッと距離が縮まったようでした。先生方やお友達には、遊びに行く一週間前くらいからずーっと二人で自慢をしていたようです。

わたしは、すでに息子が1歳児のときに「保護者会役員」を引き受けていたので、御断りをすればおそらく免れたのですが、その子のお母さまが、今年の役員になったので、娘のクラスの方で「役員」を引き受けました。結局そのお母さまが「保護者会会長」、わたしが「副会長」となり、日曜日に月1程度ある役員会では、息子とその子が役員会のかたわらで遊ぶ姿をほほえましく見守っています。会長・副会長で話し合うことも必要で、園帰りに一緒に外食したこともありますが、その時も息子のテンションは最高潮でした。

 

わたしの子どもたちは、難聴児ではありません。しかし、こと「子育て」となると、私も親として、日々悩み、模索しながら、それでも子どもたちの健やかな成長を願い奮闘しています。

もちろん、子どもには子どもの世界があります。しかし、親のちょっとした周囲との関わりが、「きっかけ」になったりもするのです。

今後も「なないろ教室」では、皆さまのお子さんの「言葉」だけではなく、「子育て」を見守り、ともに母として悩み、支えていきたいと思っています。

                    

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