心の根っこ…自我の芽生え

                     

赤ちゃん時代を卒業するとお子さんは自分を意識できるようになります。そうすると「自分はパパやママとは一緒ではない一人の人間である」ということに気づき、「自分でするの!」「いやいや」と自分をアピールしたくなってきます。これが「自我の芽生え」です。この「自我の芽生え」は「心の根っこ」ですのでとても大切です。

 

いやいや」は「わたしを認めて」「ぼくをわかって」という気持ちの表れですので、大人が「いやって言わないの」「いやいやはダメよ」と言えばいうほど強く反発します。

 

一人でやるにはまだ難しそうなのでいつものように手伝うと「いやいや!自分で!一人でやるの!」とプンプン。それならしばらく手伝わずに見守っていると「一人じゃできないよ!やってよー!」とまたまたプンプン・・・。

お子さんの「いやいや」「プンプン」に毎日お付き合いする親御さんにとっては大変ですよね。

 

 

そんなときは「子どもが選べるようにする」「子どもに選ばせる」というのも一つの方法です。

 

外出前にお子さんの「いやいや」がはじまったら、「靴を履きなさーい!!」ではなくて「どっちの靴にする?」とお子さんに尋ねて、選ばせてみるのもいいですね。このとき、どちらの靴を選んでも気持ちよく「オッケー」にするのも大切なポイントです。

せっかくお子さんの「いやいや」をうまくかわし、お子さんが「ワクワク」と選んだのに大人が「しぶしぶ」と応じてしまっては穏やかな雰囲気も壊れてしまいますからね。

 

お子さんに尋ね、選ばせる時は「どっちを選んでも問題ない」「お子さんにとってはどっちも好きである」ということや物、場面にすることもコツになります。

下着や洋服を選ぶ靴や靴下を選ぶおやつを選ぶ(例:クッキーにする?おせんべいにする?)、飲み物を選ぶ(例:ぶどうジュースにする?リンゴジュースにする?)などお子さんが考え込まずに、テンポよく選んで、次の行動に移れるような場面から取り組んでみると良いです。

 

テンポよく、リズミカルに、明るい声で「どっちにする~?」と楽しくお子さんに選んでもらうと・・・上から下まで洋服がぜーんぶシマシマ柄!!なんていうこともあるかもしれません。ある時は、上から下まで、持ち物までありとあらゆるものがピンク一色なんてことも・・・

 

そんな時はおしゃれ感やコーディネートは二の次にして「シマシマの〇〇くーん、しゅっぱーつ!!」「ピンクピンクの○○ちゃーん、レッツゴー!!」と笑い飛ばしてしまうのも「いやいや」をうまく乗り切る秘策かもしれません。

 

 

一段階成長すると「どっちにする?」作戦が通用しなくなってくるかもしれません。そんな時は「お靴を履いたら、公園に行くよ。滑り台、シューって滑ろうね~」など具体的に次の楽しみを知らせてあげましょう。
また一段階成長すると「次のお楽しみ」を示しても手ごわい「いやいや」が居座る場面が出てくるかもしれません。そんな時は・・・「ママのお洋服、どっちがいいと思う」「パパの靴、どっちが似合うかな」など人のものを選ばせるというのも「少し上級になってきたいやいや」を乗り切るときには役立つかもしれません。

 

 

一方でお子さんの「いやいや」を強めてしまいがちなのが「やるの?やらないの?どっちなの?」と問い詰めてしまうような言葉かけです。

「じゃー、やらないよ!!」「もう!!」とそんなつもりはないのに親子でけんか腰になったり、売り言葉に買い言葉で思ってもいない方の行動をしてしまったり・・・あまりいいことはないようです。

 

お子さんに選ばせる時のコツはあくまでも「やってくれるよね。」というプラスの気持ち、「どちらを選んでもやることにつながる」が土台であることを忘れずにおくと良いようです。

 

 

このように大人を手こずらせるお子さんの「いやいや」ですが、「選ばせる」「具体的な次の楽しみの見通しを持たせる」「人の何かを選ばせる」といった言葉かけで「子ども本人が自分で決めた」というプライドを崩さずに前に進めるようになってきます。

 

何よりも親子でイライラやケンカ、ストレスを増やさずにすむような関わりができるのは、日常生活の中では大切ですので、それぞれの親子で「いやいや」を乗り切る「魔法の言葉かけ」をみつけてみてください。

 

 

いやいや」の大変な時期は、「心の根っこ」から自我の芽を出し、ぐんぐん膨らませています。そして「自分は大切にされている」という実感をより強くし、「自分はこの世でかけがえのない存在なんだな」と自分で自分を大切に思える心を育んでいるのです。

 

これは「任せてもらえるという自信」、「自分と同じように他者を大切にする心」、「最後までがんばる力」などにつながる大切な「心の根っこ」です。「心の根っこ」「自我」を育む中で、やがて大きくなった時に少しくらいの困難も乗り越えていく力をつけていくはずです。