26
1月
食育はいつもの食卓から
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「食育」というと「手の込んだお料理を作らなくては」「栄養計算しないとダメかしら」「子どもひとりでさせないと」などなどブレーキがかかりがちです。
でもそんなことはありません。「食育」は「いつもの食事から」「いつもの食卓で」取り入れることなので大丈夫です。
乳幼児期に育てておきたい「子どもの姿」をイメージしながら、少しずつ「いつもの食卓」に「食育のエッセンス」を入れてみましょう。
まずは「乳幼児期に育てておきたい子どもの主な姿」をご紹介します。
①お腹がしっかりすくリズムを持てる子ども
★たくさん遊んで、しっかりお腹がすき、おいしく食べて、ゆっくり休む・・・こうしたメリハリがある生活が空腹感と満腹感をしっかり育て、食事をしっかりとる習慣と力を高めます。
★年齢に応じた表現で「おなかがすいた」と大人に伝えられることも大切です。赤ちゃんが泣くことで空腹を伝えているのは成長の証しです。
★「おなかがいっぱい」と伝えられる力も大切です。自分の適量を知ることは自分の体を正しく知ることにもつながります。
また、食事量の変化で体格、体力、体調の変化を知ることもできるので、日頃から空腹、満腹、食事量を伝えあうことが大切です。
②好きな食べ物、食べたい物があり、それらが年齢や経験に応じて増えていく子ども
★大好きな人と食卓を囲み、楽しい雰囲気の中で話題を共有することで、食は進みます。「みんなが食べているから、自分も口に入れてみようかな。」「みんなおいしそうに食べているから、食べてみたいなぁ。」と食べることへの興味や意欲にもつながります。
③一緒に食べたい人がいる子ども(家族、友だち、先生など安心でき、楽しく食事ができる人がいる)
★食育は赤ちゃんの頃から始まっています。お母さんにゆったりと抱かれ、ぬくもりと安心感の中でミルクを飲む・・・これが食育の第一歩です。
★おいしい食事、楽しい食卓、大好きな人(家族や友だち、先生など)・・・これらが整っている毎日の、いつもの食卓そのものが食育になっています。
「おいしいね。」と笑顔で伝えあえる関係の中で、食べ物への興味が広がり、少しずつ食べることが上手になっていきます。
④食事作りや準備、片付けに興味を持ち、楽しく関わる子ども
★食事の準備や片付けにも食育のきっかけが散りばめられています。
「まだ小さいから」「一人ではできないから」「自分でする方が早いから」と思いがちですが、一日の中で無理なく、もめずに、一緒に楽しめる「準備や片づけ」の場面を探してみましょう。
例えば、お店で一緒に野菜を見たり、かごに入れたり、買った野菜を持ち帰りの袋に入れたりすることも「食事の準備」です。
少し大きなお子さんはスーパーのチラシを見ながら買う物を決めたり、一緒にメニューを考えたりすることも楽しめます。
実際にキッチンで野菜を洗う、リビングでテーブルを拭く、コップやスプーンを運ぶなどを大人の手助けを受けながら年齢に応じた「食事の準備や片付け」に取り組めます。
こうした取り組みの積み重ねが「お手伝い」へと広がります。
★食事の準備をしながら「いいにおいがするね。おなかすいちゃった。」「ぐつぐつ煮てるからもう少し待っててね。」「今日はカレーだから、スプーンを出そうね。」「熱いからそーっとそーっと運ぶね。」など、食事に関わる楽しい話をする機会にもなります。
大人と一緒にする、大人の姿や動きを見ることも「食育」です。
⑤食べ物に興味を持ち、話題にする子ども
★買い物や栽培も大事な食育の場です。
日々の買い物で大人と一緒に旬の野菜や季節の食べ物を知ったり、近所の畑や木々に育っている野菜や果物の育ちを毎日確かめたりすることができます。そうした経験から食卓にあがる前の食べ物の状態を知り、大きくなったり、色が変わったりする様子を見ることにもなり、ワクワク感が育ちます。
★畑やプランターで実際に栽培するほかに、豆苗やカイワレなど室内で手軽に栽培できる野菜もあります。毎日の変化も大きいので小さいお子さんも楽しめます。
このように「食育」は大変なこと、難しいことではなく、いつもの食卓そのものが「食育」になります。
毎日の食事やお手伝いの中で、自然と食べ物や料理への興味や発見を持つようになります。
さらに、自分が実際にかかわることで、作ってくれる人への感謝の気持ちを育むことにもつながります。そうした気持ちの育ちから「いただきます」「ごちそうさまでした」を心を込めて言えるようになると思います。
いつもの食卓から食育を・・・ぜひ楽しんでみてください。
28
12月
心の根っこ…自我の芽生え
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赤ちゃん時代を卒業するとお子さんは自分を意識できるようになります。そうすると「自分はパパやママとは一緒ではない一人の人間である」ということに気づき、「自分でするの!」「いやいや」と自分をアピールしたくなってきます。これが「自我の芽生え」です。この「自我の芽生え」は「心の根っこ」ですのでとても大切です。
「いやいや」は「わたしを認めて」「ぼくをわかって」という気持ちの表れですので、大人が「いやって言わないの」「いやいやはダメよ」と言えばいうほど強く反発します。
一人でやるにはまだ難しそうなのでいつものように手伝うと「いやいや!自分で!一人でやるの!」とプンプン。それならしばらく手伝わずに見守っていると「一人じゃできないよ!やってよー!」とまたまたプンプン・・・。
お子さんの「いやいや」「プンプン」に毎日お付き合いする親御さんにとっては大変ですよね。
そんなときは「子どもが選べるようにする」「子どもに選ばせる」というのも一つの方法です。
外出前にお子さんの「いやいや」がはじまったら、「靴を履きなさーい!!」ではなくて「どっちの靴にする?」とお子さんに尋ねて、選ばせてみるのもいいですね。このとき、どちらの靴を選んでも気持ちよく「オッケー」にするのも大切なポイントです。
せっかくお子さんの「いやいや」をうまくかわし、お子さんが「ワクワク」と選んだのに大人が「しぶしぶ」と応じてしまっては穏やかな雰囲気も壊れてしまいますからね。
お子さんに尋ね、選ばせる時は「どっちを選んでも問題ない」「お子さんにとってはどっちも好きである」ということや物、場面にすることもコツになります。
下着や洋服を選ぶ、靴や靴下を選ぶ、おやつを選ぶ(例:クッキーにする?おせんべいにする?)、飲み物を選ぶ(例:ぶどうジュースにする?リンゴジュースにする?)などお子さんが考え込まずに、テンポよく選んで、次の行動に移れるような場面から取り組んでみると良いです。
テンポよく、リズミカルに、明るい声で「どっちにする~?」と楽しくお子さんに選んでもらうと・・・上から下まで洋服がぜーんぶシマシマ柄!!なんていうこともあるかもしれません。ある時は、上から下まで、持ち物までありとあらゆるものがピンク一色なんてことも・・・
そんな時はおしゃれ感やコーディネートは二の次にして「シマシマの〇〇くーん、しゅっぱーつ!!」「ピンクピンクの○○ちゃーん、レッツゴー!!」と笑い飛ばしてしまうのも「いやいや」をうまく乗り切る秘策かもしれません。
一段階成長すると「どっちにする?」作戦が通用しなくなってくるかもしれません。そんな時は「お靴を履いたら、公園に行くよ。滑り台、シューって滑ろうね~」など具体的に次の楽しみを知らせてあげましょう。
また一段階成長すると「次のお楽しみ」を示しても手ごわい「いやいや」が居座る場面が出てくるかもしれません。そんな時は・・・「ママのお洋服、どっちがいいと思う?」「パパの靴、どっちが似合うかな?」など人のものを選ばせるというのも「少し上級になってきたいやいや」を乗り切るときには役立つかもしれません。
一方でお子さんの「いやいや」を強めてしまいがちなのが「やるの?やらないの?どっちなの?」と問い詰めてしまうような言葉かけです。
「じゃー、やらないよ!!」「もう!!」とそんなつもりはないのに親子でけんか腰になったり、売り言葉に買い言葉で思ってもいない方の行動をしてしまったり・・・あまりいいことはないようです。
お子さんに選ばせる時のコツはあくまでも「やってくれるよね。」というプラスの気持ち、「どちらを選んでもやることにつながる」が土台であることを忘れずにおくと良いようです。
このように大人を手こずらせるお子さんの「いやいや」ですが、「選ばせる」「具体的な次の楽しみの見通しを持たせる」「人の何かを選ばせる」といった言葉かけで「子ども本人が自分で決めた」というプライドを崩さずに前に進めるようになってきます。
何よりも親子でイライラやケンカ、ストレスを増やさずにすむような関わりができるのは、日常生活の中では大切ですので、それぞれの親子で「いやいや」を乗り切る「魔法の言葉かけ」をみつけてみてください。
「いやいや」の大変な時期は、「心の根っこ」から自我の芽を出し、ぐんぐん膨らませています。そして「自分は大切にされている」という実感をより強くし、「自分はこの世でかけがえのない存在なんだな」と自分で自分を大切に思える心を育んでいるのです。
これは「任せてもらえるという自信」、「自分と同じように他者を大切にする心」、「最後までがんばる力」などにつながる大切な「心の根っこ」です。「心の根っこ」「自我」を育む中で、やがて大きくなった時に少しくらいの困難も乗り越えていく力をつけていくはずです。
9
11月
親の気持ちも言葉に…
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少し前までは「赤ちゃんはなにもできない無力な存在」と考えられていましたが、最近では「生まれたときから人と関わり合う力を持っている存在である」とわかってきました。赤ちゃんは生まれながらにして人とコミュニケーションをする力を持っているんですね。
赤ちゃんは言葉を話せなくても「おなかがすいた」「オムツが汚れている」「眠たい」「なんだかおなかが痛い」「もっと遊んで」「ママ、パパ、だっこがいいよ」などたくさんのことを表情や声、泣くことで伝えてくれます。なので赤ちゃんと過ごしていて「泣いている理由」や「赤ちゃんの気持ち」がわからなくて困ることは少なくありません。赤ちゃんの気持ちがわからないとき、とても切ないですよね。
「レシピを見ながら新しい離乳食作ったのに、なんで食べてくれないの・・・」
「お天気がいいから公園に来たのに、なんで遊ばないの・・・」
「一日たくさん外で遊んだのに、なんで寝てくれないの・・・」
子育て中はこのような「~のに、なんで・・・」がたくさんありますよね。赤ちゃんと毎日一緒に過ごすママ、パパとしては、ため息に、時には涙もポロリと出てくるときが少なくないのではないでしょうか。
言葉で伝えることがまだできなくて、泣くことで多くを表現する赤ちゃんを前に途方に暮れてしまったとき、ママ、パパの気持ちを声に出して表現してみましょう。
「オムツ替えたのに、なんで泣いてるの?お母さん、困ったなぁ。」
「ミルク作ったのに、なんで飲まないの?おなかすいちゃうとママ心配になっちゃうよ。」
「せっかく公園に遊びに来たのに、ぜんぜん遊ばないなんて、パパ悲しいな。」
すぐに解決策がみつかるわけではありませんが、頑張っている自分の気持ちを出すことで楽になれるかもしれません。あらためて自分の気持ちに気づき、つらい気持ちを一人で抱え込むのを防ぐことにもつながります。
そして、赤ちゃんが元気になり、機嫌が良くなったり、笑顔になったら、そのときもママ、パパ自身の気持ちを言葉に出して下さい。
「○○ちゃん、ミルクごくごく、ママ嬉しいな。」
「○○くん、おしりキレイキレイしたらニコニコ元気になったね。ママもニコニコよ。」
「お散歩行って楽しいね。パパも楽しいな。」
ママやパパが嬉しい気持ち、楽しい気持ちでいることを赤ちゃん自身も知ることで、人と共にいる安心感や心地よさにつながり、コミュニケーションが一つ深まることでしょう。
9
10月
ハイハイってすごい!
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「ハイハイ」は人間がうまく歩くようになるために必要な基本的な運動です。ハイハイを始めた月齢のお子さんにとっても、伝い歩きや一人で歩くようになった年齢のお子さんにとってもとても大切な運動です。
繰り返し「ハイハイ」を楽しむことで、足や腰などの運動機能がより高まり、発達します。よりしっかりとしたしゃがむ、立つ、歩く行動につながる運動ですので赤ちゃん時代を過ぎても繰り返して楽しむことが必要です。
今回は少しの工夫でできる「お楽しみハイハイ」をご紹介します。
〇フローリングの床を「ハイハイ」〇
つるつる滑る感じ、ひんやりした感触、ペタッと手足にくっつく感覚・・・。
「まてまて~」「にげろにげろ~」など大人も一緒にハイハイをすると追いかけっこにもなって楽しさ倍増です。
〇たたみの床を「ハイハイ」〇
ざらざらした感じ、なんとなくのぬくもり・・・たたみ特有の香りも新鮮です。
机の下に潜り込んで「いないないばー」や「かくれて、かくれて」、「みつけた、みつけた!」とかくれんぼ遊びにもステップアップできます。
もぐりこむ机の高さに合わせて体をかがめたり、首を千縮ませたり、頭をぶつけないように気を付けたり・・・ハイハイ探検で盛り上がります。
〇敷いてあるカーペットの上を「ハイハイ」〇
てのひらや足の裏に感じるゴワゴワ感、ヒヤッとした感じのなさ・・・もつれないように気を付けてハイハイするかもしれません!
これからの季節はあたたかいホットカーペット目指してハイハイし、そのままゴロン・・・ハイハイ、ゴロンの繰り返しで腹筋アップにも役立ちそうです。
「あったかーいね」、「ゴロン、ゴロン」など寒いときならではあたたかいふれあい遊びにもつながります。
〇布や新聞紙の上を「ハイハイ」〇
「ハイハイ」が達者になってきたら床の上に布や新聞紙を敷くとより楽しめます。
新聞紙のがさごそした感じを楽しみながら少しワイルドにハイハイ!くしゃくしゃと動いてしまう布の上では注意してそーっとハイハイ!
がさごそ、くしゃくしゃなどの素材の違いを感じることで、手のひら、ひざ、足の裏に受ける感覚を養うことにもつながります。さらに自分で動きを調整しながら「ハイハイ」を楽しむことができます。
このように運動機能を高める基本トレーニングだけではなく、「いないないばー」にも「かくれんぼ」にも「ふれあい遊び」にも広がっていく「ハイハイ」。お子さんと一緒に大人も楽しんでみましょう。
厳しい暑さ、不安定な天候、寝苦しい夜…そんな夏を元気に乗り切るちょっとした工夫をご紹介します。
「1日で最も眠気が少ない午前10時から正午に眠そうにしているかどうか」は、お子さんの睡眠が十分にとれているかどうかのめやすの一つになります。
この時間帯に眠そうにしているようだったら、寝るときの環境や生活リズム全体を見直して、整えると良いです。
子どもは大人に比べて体温が高くて汗をかきやすいです。汗をかくことは大切な生理現象ですが、寝入るときに汗をかきすぎていると寝付きにくくなることがあります。気になるような場合は寝付いてしばらくは背中にゴワゴワしないタオルやガーゼを入れておくと気持ちがいい上に、寝汗からの寝冷えを防ぐことができます。
また、頭に汗をたくさん書く場合は、頭の下にタオルを敷いたり、寝付くまで冷却シートをあてたりするのも効果的です。
布団に入る前に汗をたっぷりかいてしまっているような時は、38℃~39℃くらいのややぬるめのシャワーで汗を流すとさっぱりします。こうすることで気持ちがよく、さらに体がリラックスするので自然な眠気を誘うことにもつながります。
眠りはじめからのしばらくは、眠りが深く日中の疲れをとるために大切な時間帯です。エアコンの設定を28℃にしているご家庭が多いかもしれませんが、そのままだと体温が下がりにくく、寝付きづらい場合があります。そういうような時は、寝付いてから2~3時間は設定温度を1~2℃下げ、そのあとは、設定温度をもどし、エアコンや扇風機の風が直接体に当たらないようにすると良いでしょう。
室内の明るさも睡眠を左右します。就寝1~2時間前から眠気を催すメラトニンというホルモンが分泌されますが、これは明るいままだと出にくくなります。刺激の強いテレビやゲームなどを夜は控えたり、就寝の少し前から室内の照明を少し抑えるなどすることで気持ち良い睡眠を促すことにもなります。
快適な睡眠にはスキンシップも大切です。体をさすったり、やさしくトントンしたり、子守歌を歌ったり・・・こうした人とのおだやかな関わりやあたたかいぬくもりも安心した眠りを誘います。お気に入りのぬいぐるみやタオルなどのグッズを持たせるのも心身ともにリラックスするきかっけになります。
~気持ちの良い睡眠環境を整えるポイント~
★ぬるめのシャワーをさっと浴びる。
★汗をかきやすい頭の下や背中などにタオルやガーゼなどを入れる。
★寝付いてから2~3時間は室内の設定温度を26℃から27℃くらいにする。
(設定温度を戻すことを忘れずに)
★就寝1~2時間前からテレビなどを控えたり、照明を抑えたりする。
★子守歌、おだやかなスキンシップ、お気に入りのふわふわグッズなどでリラックスする。
早起きして、お日様の光をしっかり浴び、たくさん遊び、たっぷり食べ、しっかり眠る・・・こうしたことにも気を付けながら楽しい夏を過ごしてください。